仕事の内容や普段の生活が原因で眼精疲労になってしまうことがありますが、中には病気が関係していることもあります。
眼精疲労と関係のある病気として代表的なのが緑内障ですが、その他にも更年期障害も関係しています。
「疲れ目対策をしてもなかなか症状が改善されない…」
「年をとったら急に目の疲れが気になるようになった」
という場合は、もしかすると更年期障害で目が疲れやすくなっているのかもしれません。
今回は、
・更年期障害の主な症状
・疲れ目になる原因
・対処法、予防法
についてご紹介したいと思います。
更年期障害の主な症状
更年期障害とは、一定の年齢を過ぎると女性ホルモンや男性ホルモンが少なくなることで起こる不調のことです。
男性でも女性でも起こることがありますが、男性よりも女性のほうがホルモンバランスの変化が大きいので症状が出やすいと考えられています。
年齢は、45歳から55歳くらいまでの人に多いですが人によっては前後することもあり早いと20代後半から30代にかけて症状が出る若年性更年期障害もあります。
ホルモンの減少以外には、
・環境が原因の場合
・もともとの気質が原因の場合
があります。
環境によるもの
生活環境がガラリと変わることで、心身に与える影響も大きいです。
45歳から55歳くらいになると、それまで一緒に暮らしていた子供も親元を離れ遠方に移り住んだり結婚したり…
仕事が落ち着いて家にいる時間が増えたり、と環境の変化が大きい時になります。
これがストレスとなって一気に症状が出てしまうことも少なくありません。
もともとの気質によるもの
更年期障害は、誰でもなる可能性がありますがどちらかというと性格が真面目で几帳面、責任感が強く神経質な人に多いと言われています。
自分に厳しい傾向があるので、不調を感じても無理をしたり体調が悪いことを受け入れられなかったりして症状が重くなることがあります。
●主な症状
- 眼精疲労、目の疲れ
- めまい
- だるさ
- 耳鳴り
- 息切れ、動悸
- のぼせ
- 頭痛、肩こり
- 物忘れ
- 不眠
- イライラ
- 不安
- 肌のかさつきなど
この他には、骨がもろくなり骨折しやすくなる骨粗鬆症や動脈硬化を引き起こす脂質異常症のリスクが高くなります。
ホルモンバランスが崩れたり、環境の変化などに老化が加わることで色々な症状が起こるんですね。
なぜ更年期障害になると目の不調が出るの?
更年期障害になると、眼球を支える筋肉が衰えてしまい若いころと比べると目の機能をカバーすることが出来なくなるのです。
水晶体に含まれるコラーゲンも老化によって減るので弾力がなくなり、調節機能が落ちて小さい文字が見えなくなったりします。
その結果、ちょっと物を見ただけでも目が疲れやすくなり疲労が溜まり眼精疲労になるんですね。
また、卵巣の機能が低下することで女性ホルモンの一種「エストロゲン」も減少。
このエストロゲンが減ると、涙の分泌量も減るために目が乾きやすくなりゴロゴロしたり違和感を感じたり…とドライアイの症状が出てきます。
ドライアイも眼精疲労の原因になるので、疲れやすい環境になってしまうんですね。
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目は体の中でもデリケートな部位の一つですから、老化が進みやすいと考えられています。
そのため、更年期障害になると目が疲れやすくなってしまうんですね。
対処法・予防法
更年期障害による疲れ目の対処法・予防法は色々とあるのですが、代表的なものが以下のものです。
- 目の周りのツボ押し
- 栄養バランスを考えた食事
- 合うメガネを作ること
- 適切な湿度の管理
- 毎日の運動
- エクオールを増やす
目の周りのツボ押し
目の周りのツボを押して血行を良くします。
筋肉の凝りを取ってあげることで、目の機能回復に役立ちますよ。
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目の栄養を取る
目の健康に役立つ栄養を取りましょう。
ビタミン、DHA、ルテインは特に積極的に取りたいですね。
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合うメガネを作る
更年期障害になる年齢になれば、緑内障や白内障、飛蚊症などの症状も感じやすくなります。
どれも眼の老化で起こることですから、気になる症状があれば眼科を受診しましょう。
緑内障について
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白内障について
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飛蚊症について
老眼が入り、メガネが合わなくなってくることがあるので見直しも疲れ目改善には欠かせません。
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湿度対策
職場や家で出来る湿度対策と言えば、加湿器を使うことです。
乾燥しやすい冬だけでも使うと違ってきますよ。
運動・ストレッチ
運動は、必ずしも激しいものでなくてもちょっと体を動かして筋肉をほぐすだけでも良いものです。
更年期障害には、心も穏やかになるヨガなどのストレッチがおすすめ。
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エクオールを増やす
エクオールとは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンに似た働きをすると言われている物質のこと。
女性ホルモンをサポートするので、更年期障害の症状を和らげる働きがあります。
エクオールは、大豆食品に含まれるイソフラボンを取ることで腸内細菌によってつくられるもの。
腸内細菌が少ないと、このエクオールを作ることが出来ないので更年期障害が重くなりやすいです。
人によって、腸内細菌でエクオールを作られる人も居れば作られない人も居ます。
エクオールを作るだけの腸内細菌があるかどうかを調べるには、検査キットを使えばわかります。
検査は、婦人科で行うことも出来ますが郵送タイプの検査キットを使うことも可能です。
もし、腸内細菌が十分ではなくエクオールを作ることが出来ないのであればサプリメントで補うことが出来ますよ。
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更年期障害の診断は自分で出来るものではないので、内科や婦人科などを受診して診断を受けるのが良いです。
自分では更年期障害かも?と思っても、実際はそうでない場合もあります。
もし、眼科に行っても原因がわからず症状が良くならない場合は更年期障害も疑ってみてくださいね。