「目が疲れやすい、重い痛みを感じることが多いけどケアしてもなかなか良くならない」
「眼科に行っても異常はないのに目の周辺に疲れや痛みを感じやすい」
もしかすると、それは目に問題があるのではなく鼻に問題があるのかもしれません。
目と鼻はつながっていますから、鼻になんらかの炎症が起きているとそれが目に影響して疲れや痛みを感じることがあるんです。
特に、慢性的な副鼻腔炎になると繰り返し炎症が起こることで日常的に目の疲れや痛みを感じることがあります。
副鼻腔炎はどんな病気?
副鼻腔炎は、鼻の中にある「副鼻腔」という空間に菌や花粉などの刺激物が入り込み炎症を起こすこと。
ある日突然発症する、というよりはもともと風邪を引いていたり花粉症の症状が出ていたところに原因物質が副鼻腔に入り込むことで起こることが多いです。
副鼻腔炎にも、発症してあまり時間が経っていない「急性副鼻腔炎」と既に発症してから時間が経っている「慢性副鼻腔炎」があります。
●急性副鼻腔炎
発症してから間もない段階。
ウイルスや細菌、花粉などに一時的に感染することで炎症が起こるもの。
この段階ですぐに適切な治療が受けられれば大事には至らず、早く回復することも可能。
一般的には、一か月以内に収まってしまう副鼻腔炎。
●慢性副鼻腔炎
発症してからだいぶ時間が経っている段階。3ヶ月以上症状が続く状態。
繰り返し炎症を起こすことが多く、長期化すればするほど完治させるのが難しくなってくる。
副鼻腔の炎症が治まらず中に膿が溜まってしまっている。
その膿が上手く外に出ない→膿が溜まる→炎症が続くという悪循環です。
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このうち、慢性副鼻腔炎は別名蓄膿症とも呼ばれます。
蓄膿症は膿が溜まることなので、慢性化した副鼻腔炎を指すんですね。
主な症状
副鼻腔炎になると、以下のような症状が出ます。
鼻を中心に、その周りに痛みが起こることが多いです。
・鼻水が出る
・鼻が詰まる
・発熱
・風邪のような症状
・頬の痛み
・目の疲れ
・息苦しさ
・頭痛など
また、鼻水自体も透明でサラサラしたものが垂れてくるのではなく黄色や緑っぽい色のドロッとした鼻水であることが多いです。
鼻をかんでもかんでも鼻水は出てきて、不快なにおいを感じることも少なくありません。
なんで副鼻腔炎になると目が疲れるの?
副鼻腔は、鼻を中心に両目の下から両目の上にかけて広がっている空洞のことです。
ちょうど目の周辺、特に目頭寄りのほうにあるので目の周りが疲れたり痛くなりやすいのです。
顔の中心にあるということから、目以外にも脳や耳ともつながっているので炎症が起これば周辺の器官にも合併症として悪影響をもたらします。
●脳の合併症
脳にも菌が入り炎症が広がると、髄膜炎や脳膿症などの合併症が起こるリスクがあります。
●耳の合併症
細菌が耳の中まで入ると、耳にも炎症が広がり中耳炎の合併症を引き起こすリスクがあります。
●目の合併症
幸い、目の場合は脳や耳と違って重い合併症が起こるリスクが少ないです。
でも、その分目の奥に重い痛みを感じたり視力障害が起こることがあるので気を付けたいものです。
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今現在副鼻腔炎でなくても、過去に長期間副鼻腔炎の治療をしていた場合にまた再発して鼻の症状が出ていない段階で目が疲れたり痛みを感じることもあります。
治療法・対処法
副鼻腔炎は、自力で回復するのは難しいので症状が出たらとにかく早めに耳鼻科を受診して治療を始めることが大事。
目の疲れを感じたら、鼻詰まりがないか、鼻水が黄色っぽかったり緑色になっていないかチェックしましょう。
もし、眼科を受診して何も異常がなければ耳鼻科を受診することをお勧めします。
●診断はレントゲンかCT
副鼻腔炎の診断は、レントゲンかCTによるものがほとんど。
炎症の影が白く映っているはずです。
●治療は内服薬や吸入など
主な治療は抗生剤などの内服、吸入などになります。
あとは、耳鼻科では鼻の洗浄が行われることも。
副鼻腔炎は、完治させるまでに時間がかかるので勝手に服薬を止めたり通院を止めたりしないようにしましょう。
症状を悪化させるだけでなく、一度よくなってもまたぶり返す可能性があるからです。
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副鼻腔炎を防ぐには、鼻炎をこじらせないことです。
風邪や花粉症などであれば、早めに病院を受診して治療を受けることですね。
鼻水が出たらすぐにかむ、時々鼻うがいをすると鼻の粘膜も清潔に維持することが出来ますよ。
また、免疫力が落ちている時に起こりやすいので栄養のある食事を心がけることも大切。
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自分で出来る対処法
最後になりますが、耳鼻科に行きたくても
・近くに耳鼻科がない
・耳鼻科はあるけど行く時間がない
ということもあると思います。
その場合は、とりあえずの手段として以下のような対処法があります。
・市販薬を飲む
・市販のうがい薬を利用する
●市販薬にはチクナイン
市販薬で代表的なものが、小林製薬から出ているチクナインです。
チクナインは、9つの生薬で出来た漢方「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」が元になった薬。
炎症を抑えながら、膿を外に出すように働きかけます。
結果、呼吸が楽になり症状の改善に期待が出来るというものです。
他の医薬品と一緒に飲むと作用が強まったり逆に弱くなることが考えられるので、避けましょう。
●鼻うがいにはハナノアa
鼻うがいは、市販薬を使わなくても出来ることは出来ますが余計な雑菌が入ると意味がないのでなるべく市販薬を使うことをお勧めします。
ハナノアaは、チクナインと同じ小林製薬から出ているもので痛くないのでおすすめです。
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一番は病院を受診するのが良いですが、どうしてもできない時は市販薬もあるので検討してみてくださいね。